マスターコントロールの多くのお客様は、厳しい規制環境の中で、 重要な製品やサービスを世界中に提供しています。 |
CEO, MasterControl Inc.
これまでに「何のためにその仕事をしているのか?」という質問を自分自身に問いかけたことはありますか?また、品質管理業務の手順やSOPに没頭している状況や、進行中のCAPAタスクに関する白熱した社内会議の中で、自らの業務の目的に疑問を抱いたことはありますか?
弊社がまだ従業員50名程度だった頃、自分自身にこのような質問を投げかけることはありませんでした。しかし、当時と比べ会社も大きくなり、世界中で事業を展開するようになった今、この質問の重要性が増しているように感じています。
また、TED(カンファレンス)で発表されたSimon O. Sinek氏の「ゴールデンサークル」に関するコンセプトを聞き、改めて、自分が取る行動の背景にある目的について考える機会にもなりました。Sinek氏は、人々は「何を(What)」ではなく、「なぜ(Why)」を重要視していると理論づけています(1)。
自社の企業目的は当然、常に認識していますが、「ゴールデンサークル」の影響もあり、近年では「目的やビジョン」の確立を特に意識して、取り組んでまいりました。2014年のMasters Summitにて、弊社の目的についてお話した際にも、お客様に上記の質問を投げかけ、私自身の考えを発表させていただきました(2)。
QMS分野におけるリーディングソリューションをお客様に提供することに、私たちがなぜ懸命に取り組んでいるのか?それは、お客様の素晴らしい製品の早期市場展開及び低コスト化実現に貢献し、こうした製品からの恩恵を一人でも多くの人々に受けていただきたいとの願いがあるからです。
厳しい規制環境下の企業
弊社製品をご利用いただいているお客様の多くは、厳しい規制環境の中で、重要な製品やサービスを世界中の人々に提供しています。その中で、Oil States Industries社やSynCardia Systems社、国際エイズワクチン推進構想(IAVI:International AIDS Vaccine Initiative)をご紹介いたします。
Oil States Industries社は、石油ガス産業の素材や掘削機器などの製造メーカーで、2010年に発生したBP社のメキシコ湾原油流出事故発生時に、海上の原油回収に使用された機器がOil States Industries社の製品です。
SynCardia Systems社は、人工心臓を開発している医療機器メーカーで、重症心不全に対して心臓移植までの生命を維持するために用いられる(完)全置換型人工心臓を製造しています。
国際エイズワクチン推進構想(IAVI)は、安全で効果的なエイズワクチンを世界中に普及することを目的に、リサーチャーとのパートナーシップによる臨床試験を実施する非営利団体です。
優れた製品を「より速く、より多くの人々に、より高い品質で」提供するという各企業の目的は、私たちの目的でもあります。このような重要な目的を達成する為、私たちの業務も、ソフトウェア開発や障害修正から、もっと大きなものへと発展することができます。
影響の大きさを認識
弊社のお客様が生産する製品を合計すると、推定で約280,000点に達します。こうした製品一つ一つのコスト引き下げ及び生産のスピードアップは、市場に大きな影響を与えます。医療機器メーカーのお客様で、変更管理プロセスを46日から6日に短縮した事例がありました。このお客様の製品は、毎日100名以上の新規の患者さんに使用されていたので、40日の変更管理プロセスの改善は、変更によって不具合や問題点が改良された製品が4,000名の患者さんに使用される問題を防ぐことに繋がりました。これは一例ですが、お客様と弊社の共同作業によって、世界中の多くの人々の生活に影響を与えることができます。
皆さんも、「なぜその仕事に携わっているのか」と自分自身に問いかけてみてください。ドイツの哲学者であるFriedrich Nietzscheの「He who has a why to live for can bear almost any how(生きることの理由を持つ者は、ほとんど、どのような類の「生き方」でも耐えることができる)」という言葉があります。自分自身の中で、業務の目的が明確になると、机上に山積みとなっている監査の指摘事項や、現在担当しているバリデーションプロジェクトに気力を失うようなことも軽減されるのではないでしょうか。
Jonathan Beckstrand
Jonathan Beckstrandは、University of Utahにて会計学修士課程、Brigham Young Universityにて法学部を卒業後、信用組合のソフトウェアシステム開発部門の法務部門としてキャリアをスタートし、その後、米国シカゴエリアのソフトウェア・ストラテジー・コンサルティング会社において、シニア・コンサルタントとして従事。その後、シリコンバレーに移り、KPMG社のM&A(企業合併買収)部門にてデューデリジェンスを担当(30社を超えるインターネットやテレコミュニケーション、ソフトウェア企業への買収、投資など)。Jonathan Beckstrandは、現在、米国ユタ州ITサービス組織の取締役会、ユタ州弁護士団にも所属しています。
2002年に社長兼CEO(最高経営責任者)に就任してから、マスターコントロールの成長力は勢いを増し、様々な新しいソリューションをリリース、社内外問わない革新を推進し、規制対象企業への品質マネジメントシステム(QMS)向けソフトウェアとサービスのリーディング・プロバイダーとしての地位を築きました。
2014年Masters Summitにおけるプレゼンテーションはこちら
【参照】
(1) Simon Sinek is the best-selling author of “Start with Why: How Great Leaders Inspire Everyone to Action.”
(2) The Masters Summit is MasterControl’s premier educational conference for customers. Nearly 400 people attended the seventh Masters Summit, held on Oct. 8-9, 2014, at the Snowbird Resort in Utah.
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