2018年5月30日水曜日

FDA、Cures Actで医療機器対象外のソフトウェアに関する意見募集

FDA(米国食品医薬品局)は、2016年12月に制定したCures Actのセクション3060にて対象外としたソフトウェアに関して、利点及びリスクに関する情報を募集すると発表しました。Cures Actでは、「1. ヘルスケア施設の運営管理、2. 健康的なライフスタイルの維持、3. 電子的な患者情報、4. データの転送や保管、フォーマットの変更、表示、5. (治療方法などの)決定の一部を補助」の5種類は、医療用ソフトウェアであってもCures Actの対象外であると記載されており、2017年12月にFDAが発表した2つのガイダンスでは、デジタルヘルスケアにおけるFDAの役割や関わりが不要と考えられる分野等についての記載もあります。今回の募集の結果を経て、FDAは安全性等に関するレポートの発表を2018年12月までに予定しており、以後、2年ごとの更新を予定しています。


FDA発表記事:Development of 21st Century Cures Act Section 3060 Required Report: Request for Input
https://www.regulations.gov/contentStreamer?documentId=FDA-2018-N-1910-0001&contentType=pdf

2018年5月25日金曜日

EU離脱前にイギリスの製薬業界向けの合意が必要  

2019年のEU離脱を控え、EU規制要件にと同等の法規制の整備や関税リスクの削減、患者へのリスク削減などをイギリス議会が求めています。議会の報告書によると、なんらかの合意を行わずにEU離脱が実行された場合、イギリスの製薬メーカーがEU圏にて医薬品の提供を行うことに相当なリスクを負わせることになり、約119億ユーロ(約1.5兆円)の輸出及び4.46億人の患者及び消費者に大きな影響を与える可能性があります。
また、現時点でイギリス国内で流通している3/4の医薬品はEU圏から輸入されている為、同様の影響は、イギリス国内の患者にも懸念されます。 

また、EMA(欧州医薬品庁)は、EUの法規制とは異なる法規制がイギリス国内に適用される場合、イギリス及びEU圏の製薬メーカーは、両方の法規制への対応を考慮した事業運営及び体制が必要となる点を最大の懸念として挙げています。医薬品開発コストの増加が販売価格の値上げにもつながることで、革新的な新製品を展開する上で、ビジネスメリットが非常に低いマーケットとなってしまう為です。 イギリス政府は、既に継続的に協力していくことを発表していますが、議会はEMAの加盟国として留まることを優先すべきと考えており、イギリスからアムステルダムへEMAが移転した後も政府はEMAにおけるイギリスの立場を従来通り継続することを政府へ求めています

公式サイト(英語)はこちら
https://www.parliament.uk/business/committees/committees-a-z/commons-select/business-energy-industrial-strategy/news-parliament-2017/pharmaceutical-report-published-17-19/