著者: Lisa Weeks, MasterControl Inc., Marketing Communications
昨今の困難な経済状況下において、紙ベースのQMSを電子に置き換える際、費用面でも有効性でも見い出せるメリットについて、品質担当者は経営層を説得しなければいけません。品質プロセスに対する規制当局や法的な電子化要求への対応は必須と考えられている一方で、電子的なQMS管理体制を採用していないことから、ビジネス機会を頻繁に逸している点は軽視されている現状もあります。コンプライアンスはビジネスにとって有益なものであり、優れたQMSソフトを通じて、企業のコンプライアンス課題をビジネス上のアドバンテージに変ることができるはずです。
トップ企業の多くでは、QMSソフトの導入は最重要課題として捉えられているという調査があります
トップ企業ではQMSソフトは常識になりつつあります。AMR Research社の調査によると、品質管理は机上のアイディア段階から戦略的優先事項に移行を遂げ、サプライ・チェーン・リスクの中でも最も重要なソフトに挙げられています。(1)この需要を促進しているものは何でしょうか? 疑いなく、それはFDA、EMA、ISOといった規制当局からの綿密な調査に起因します。しかし、CEOやCFOや他の上級経営者に徹夜を強いているのは、規制当局のプレッシャーのみに起因するのではありません。品質プロセスを電子化することは、商業的にもアドバンテージがあります。文書管理、従業員教育記録、是正措置、リスク管理といった事柄は、経営層やステークホルダーにとっても関心のある分野です。
QMSソフトの競争力あるアドバンテージ
- 時間の節約: 紙ベースの品質マネジメントシステムを使用している場合、時間がかかり、非効率的で、ミスが多くなります。これは企業の組織やサプライヤーが地理的に隔たっている場合に起こりがちであり、今日のグローバル化したビジネス環境では非常に多く見られる問題です。集中化されたアクセスしやすいリポジトリ内でデータを活用できるようにし、従業員がその情報をリアルタイムに閲覧できるようにすることで、コンプライアンスは日々のビジネスの一部として機能し、効率的で効果的な企業のロードマップとなることでしょう。
- 利益の改善とROI: これに向き合いましょう。時間を節約できれば、費用を節約できます。費用のかかる製品のリコールを避けるか、是正措置のサイクルタイムを半分に抑えることで、QMSソフトへの投資を回収することが出来ます。
- より迅速に: 特に高度な規制環境下で事業を行っている企業にとっては、より迅速になることは、変更に対して迅速かつ適切に対応可能になるということであり、ビジネスにとって不可欠です。企業の品質マネジメントシステムは、品質プロセスの改善、顧客からのフィードバック、製品やサービスの改訂、規制やコンプライアンスの変更といった様々な事柄に起因する変更を取り扱うことが出来なければなりません。紙ベースのシステム内で変更を実施する場合は、長く忍耐と努力を要することになりますが、電子QMSは変更管理プロセスの全体を合理化出来ます。地理的に隔たった従業員や仮想上の組織は、文書へのアクセス、データ入力、いかなる場所からでも変更の伝達を行い、迅速な対応を実現します。
- より安全でより高品質な製品を顧客に提供: 競争力のあるアドバンテージを獲得することは、電子QMSがもたらすメリットの一部でしかありません。優れたライフサイエンス企業やメーカーの経営層は、高度なQMSソリューションは品質マネジメントの次世代をサポートすることを認識しており、製品の安全性と効能を改善することを、規制要件を満たすことと同じくらい重要であると見なしています。品質プロセスを電子化することは、顧客により高品質な製品をお届けすることを支援してくれることでしょう。
- 顧客の興味と持続を促進: 顧客が洗練され要求が厳しくなるにつれて、また競争が激しくなる中では、製品の品質を提示し、維持できる企業だけがセールスの勝利を獲得でき、既存顧客の維持を可能にします。
メリットか重荷か
規制要件はなくなりません。それどころか、日々増えていく一方です。医薬品、医療機器、自動車その他どのような製品を製造しているにしろ、規制を無視することは企業の存続に関わることです。規制環境下でビジネスを行っている企業の多くがコンプライアンスを官僚的な重荷と感じていますが、高度なQMSソフトを用いた場合、企業も少しずつそれを競争力のあるアドバンテージだと見なすようになってきました。企業で導入を検討する場合には、コンプライアンスを満たせるかどうかだけでなく、品質プロセスを電子化するにあたっての費用と効率性を充分考慮に入れましょう。
Lisa Weeks はMasterControl Inc.のMarketing Communications Specialistであり、テクノロジー、ライフサイエンス業界、その他規制環境について後半に執筆を行っています。彼女は、McNeil Pharmaceuticals,、SAP AG、SCA Mölnlycke Health Care、Crozer-Keystone Health Systems、NovaCare Rehabilitation/Select Med.といった企業で、20年にわたって幅広い業務に従事してきました。
参考:
(1)
“Market Outlook: Make Quality a Strategic
Priority Now,” AMR Research, viewed at: http://www.gartner.com/document/1340423?ref=QuickSearch&sthkw=Market%20Outlook%3A%20Make%20Quality%20a%20Strategic%20Priority%20Now
0 件のコメント :
コメントを投稿