2016年2月23日火曜日

プロジェクト完了後のシステム運用における4つの秘訣

ユーザーがソフトウェアを使い始めると様々な疑問が湧いてきます。
こうした疑問をすべて解決できますか?
Stephanie Jones
Senior Professional Services Consultant, MasterControl Inc.

2015年4月9日の記事では、スムーズなシステム導入を実現する上での8つのポイントについて、ご紹介させていただきました。今回は、導入を行った企業の担当者が去った後、システムを運用していく上でのポイントをご紹介したいと思います。

ユーザー、また導入サービスを提供する企業側の担当者として、何百件ものソフトウェア導入に携わってきた経験上、問題になりがちな課題が一つあります。それは、効果的なシステムとして作り上げるには、システムの導入だけでなく、システム運用にも注力し続けなければいけないという点です。


例えば、エンドユーザーが新しいシステムの利用を開始すると、システム管理者に対して質問が殺到することになります。システム管理者とはいえ、システム管理者向け教育は数か月前であり、またそのトレーニングでは想像を超える情報量を習得しなくてはならず、一生懸命理解しようとしてもほんの一部しか理解できず圧倒された経験がある方も少なくないと思います。ここでは、導入後最初の問題を冷静に対処できるよう、いくつかの提案をしたいと思います。

解決策①:問題を記録しカテゴリー別に分類
トリアージプロセス(緊急時に最善の作業をするため、緊急度に応じて優先順位を決める過程)を通じて、報告された全ての要求や問題を記録・分類します。分類はカテゴリー別に行いますが、関心の高いもの「HOT」か、そうではない「NOT」といった具合にシンプルにすべきです。「HOT」とは、事業を停止させるような内容であり、これ以外の場合は「NOT」に分類します。また、以下のようなサブカテゴリーを追加することで、より具体的に分類することも可能です。

1. 既知の問題(=解決策を既に知っている)
2. ユーザートレーニング関連
3. SOP関連
4. 未知の問題(=解決策を知らない)

 最初の3つのサブカテゴリについては何をするべきかご存知だと思いますので、関心の高いもの「HOT」のカテゴリーから対応を行い、時間があれば「NOT」の問題を対応していきましょう。



本記事に関連するホワイトペーパー


解決策②:電話会議を活用
導入終了後の最初の2週間は、導入を行った企業の担当者やテクニカルサポートと、前述の「未知の問題」への対処方法について、電話会議をリクエストすることをお勧めします。このようなサポートを契約時の要件として含めることで、障害修正のスピードまで確約は取れないにしても、より密接なサポート体制を構築することが可能となります。また、時間の節約にも繋がりますので、フラストレーションが軽減できるかもしれません。

解決策③:導入担当者の出張サービスまたはリモートでのフォローアップ
落ち着きを取り戻し、ユーザーが新しいシステムに慣れてきたあたりで、導入担当者とのフォローアップを予定することをお勧めします。このフォローアップは、ユーザートレーニングであがった質問への回答、導入目的の再確認、未解決の「NOT」に該当する課題などへのサポートが目的です。この打ち合わせは、内容次第ではリモートまたは出張してもらう形が選択できると思いますが、少なくとも一日は必要です。

解決策④:自分自身で解決
マスターコントロールでは、お客様Webサイトなどを通して、ツールや教育資料、FAQ、お客様同士での意見交換フォーラムなどを提供しています。このようなサービスは他のベンダーでも用意されていると思いますので、導入プロジェクトの期間に限らず、活用をお勧めします。

今回、ご紹介したポイントは、ユーザーからの質問やリクエストの管理といった日々の業務に活用していただけたら幸いです。また、システム導入・運用に関連する進捗を経営陣にタイムリーに報告する上でも助けになると思いますので、全体として業務をスムーズにまわすことに繋がればと考えています。


著者のご紹介
Stephanie Jonesは、2011年にマスターコントロールに入社以来、導入コンサルタントとして業務に従事しています。企業システムに関する経験は30年以上にも及び、プロジェクト管理や業務プロセス分析、ソフトウェア導入、データ変換、コンピュータシステム・バリデーション、規制・規格対応など、多彩なスキルを有しています。実体験から得た彼女の専門知識は、特に製薬及び食品製造業で秀でており、非常に優れた問題解決力及び対人スキルは彼女の強みであり、企業規模の大小を問わず何百もの導入成功を実現しました。


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