2014年7月14日月曜日

効果的な問題調査:根本原因を深く探りましょう

Conducting an Effective Failure Investigation: Going Deep Enough to Hit Root Cause
著者: Christine Park, Quality Architech, Christine Park & Associates


近年の査察では、FDAは効果的な問題の調査に焦点を当てています。最近の483の所見と警告文を見てみると、規制当局の現在の関心が、問題の調査方法が根本原因の究明に妥当であるかに向けられていることが分かります。本当の原因の根本的な問題調査は、CAPA(是正措置/予防措置)システムの心臓部です。

データ分析をシンプルにする努力の中で、問題はしばしば一般的なカテゴリー(人的ミス、不適切なトレーニング、手順書が守られていない、等)にグループ分けされます。残念ながら、調査はしばしばここで終わってしまい、実際の問題をシンプルにする過程まで届きません。応急手当的な修正が多く見られます(再教育、手順書の変更、等)。


問題調査に関する多くの参考書では、プロセス中のキーとなる段階を識別します。   
  • 一般的な問題を識別:問題の記述は出来るだけ明快かつ正確にすべきです。
  • 必要なデータとサンプルの収集。
  • 必要な実験あるいは試験を通じて問題を調査:問題を再現出来るか?それは継続して発生するか?
  • 偶然の要素をブレインストーミング:ここでツールが役立ちます(フィッシュボーン、類似性ダイアグラム、5whys、等)。
  • データと分析に基づいた根本原因の定義。
  • 仮説の開発:データと分析に基づいた場合、何が真の問題であると考えられるでしょうか?それを防ぐには、何をすることが必要でしょうか?
  • 仮説のテスト:問題の原因として排除する要素の設計と実験
問題調査を始めるに当たって、どのツールを選ぶべきでしょうか?企業の多くは、すべての調査を同じツールに詰め込んでしまっています。勿論、すべてに有効なツールは存在しません。ある同僚が、最近以下のチャートをMinitabトレーニングセッションから共有してくれました。

Probability Plot

このチャートは、プロセスの両端において制御不能になっている状態を表していました。しかし、これは本当でしょうか?私がこのチャートを見る限りでは、多くの問題に回答が与えられていないように感じます。
  • 実施されているテストの仕様は何か?
  • どのように許容可能な限界が決定されているか?
  • プロセスのバリデーションが実施されているか?
  • 従業員と技術の原因でどの程度の変動が可能か?
  • 設計開発活動の一部として素材とプロセスの特徴づけは行われていたか?
我々は、これらは簡単な問題であり、それにすぐ答えられるだろうと推測します。しかし、適切な問題調査のテクニックを要する、多くの問題が残されているのです。

このケースでは、フィッシュボーン・ダイアグラムが最も適切なスタート地点となるでしょう。フィッシュボーン・ダイアグラム(イシカワ・ダイアグラムあるいは特性要因図としても知られている)は、特定のイベントに関連する原因の識別に役立ちます。このダイアグラムは、その形が魚の骨に似ていることから、フィッシュボーンと呼ばれています。

Fishbone diagram



ダイアグラムを解釈する方法:
  • : プロセス内の個人を識別します。人から人への変動は、調査のための大きな領域です。プル・テストを実施するに際しての、実際のプロセスとはどんなものでしょう?それは個人間のテスト実施の大きな変化性を持つ何かでしょうか?規格R&Rは関連する変動を理解するために実施されるべきです。もう一つの提案は、従業員が手順書を確実かつ的確に実施していることを証明することでしょう。 
  • 方法: 方法は、どのようにプロセスが実施されるかを表現するものです。プロセスにとって、特定の要求とは何でしょうか?関連する何らかの経営成果に重大な影響を与える要因(CTQ)のことでしょうか?関連する様々な方法を考慮に入れたとき、製造中の製造品に関連する設計開発活動を考慮に入れることを忘れないようにしましょう。最終的な実際の成果物に必須の製造プロセス内で修正された何かでしょうか?例えば、製品が適切に特徴づけられ、バリデーションされた場合は、仕様書はプル・テストの許容出来る範囲を反映するはずです。おそらく、分析の両端のポイントは、実際に規格外であり、それらはオリジナルの設計から外れていると思われます。 
  • 機械: 機械は、業務を遂行するのに必要な特別な装置、コンピュータ、ツール等を識別します。プロセス内で使用されている装置/ツールのキャリブレーション及びメンテナンスの記録を見ておきましょう。
  • 素材:  いかなる素材や消耗品等が最終製品の製造に使用されていますか?
  • 測定:  どんなデータが、品質を評価するために使用されているプロセスから生成されているか
  • 環境: 環境は操作の条件を識別します。プロセスが実施される立地、時間、気温、文化について検討してください。

良い問題調査の本当のキーは、使用可能な様々なツールや、選択されたツールを理解することです。問題調査に関して検討すべき他のツールには以下があります。
  • 5 whys – これは、特定の問題の原因と効果を探索するのに使用される、質問方式です。5whysの目的は、欠陥や問題の根本原因を発見する点にあります。残念ながら、ここには深いレベルの原因を突き止めると言うよりも、調査を兆候の段階でストップしてしまう傾向があります。調査員は本当の答えを得るための十分なテクニックの知識を持っていないかもしれません。加えて、結果は常に再現されるとは限りません。異なる人が分析することで、異なった結果が出ることもあります。このツールを使うときは、個人で答えを見つけるより、チームで活動するのがベストです。  
  • 類似性ダイアグラム - アイディアとデータを組織するために使用されるビジネス・ツールです。これは七つの基本的な品質ツールの一つです。これはしばしば、ブレインストーミング・セッションの結果として生まれた多くのアイディアとともに使用されます。このアイディアはさらなるレビューと分析のためにグループにソートされます。フィッシュボーン・ダイアグラムとの併用が望ましいでしょう。   
真の問題調査において、この文書内の内容全てが重要ですが、いくつか念頭に置いておくべきことを列挙してみましょう。
  • 常識を働かせること。
  • 明白な事実を見過ごさないこと。一番最もっともらしい原因を最初に検討すること。
  • 問題を必ず書き取ること。
  • 分析の停滞を回避すること。問題を実際以上に複雑にしないこと。
  • 多くの問題が一つ以上の原因を持っていること。思い出してください、これは連携されたシステムなのです。プロセス内に多くの要素が埋まっています。品質問題を特定した場合は、積極的に予防措置を行ってください。
  • ツールは一般的なものであること。状況に合わせてツールを修正する必要があるかもしれません。
  • 調査を一般化しないこと。「なぜ」の問いを大事にしましょう。出来る限り、その問題に特化して考えましょう。



Christine Park, Quality Architech, Christine Park & Associates

30年以上にわたって、Christine Parkはいくつかの大企業で文化の革新と成長を促してきました。長年にわたって彼女は、いかなる規模の企業においても永続的な変化を創造する、専門性と能力を持っており、品質システムの持続的なコンプライアンス開発への重大なインパクトを与え続けています。同時に経営コストの削減にも寄与しきて来ました。Christineへのご連絡は、chris@QualityArchitech.comまで。





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