2016年2月23日火曜日

プロジェクト完了後のシステム運用における4つの秘訣

ユーザーがソフトウェアを使い始めると様々な疑問が湧いてきます。
こうした疑問をすべて解決できますか?
Stephanie Jones
Senior Professional Services Consultant, MasterControl Inc.

2015年4月9日の記事では、スムーズなシステム導入を実現する上での8つのポイントについて、ご紹介させていただきました。今回は、導入を行った企業の担当者が去った後、システムを運用していく上でのポイントをご紹介したいと思います。

ユーザー、また導入サービスを提供する企業側の担当者として、何百件ものソフトウェア導入に携わってきた経験上、問題になりがちな課題が一つあります。それは、効果的なシステムとして作り上げるには、システムの導入だけでなく、システム運用にも注力し続けなければいけないという点です。


例えば、エンドユーザーが新しいシステムの利用を開始すると、システム管理者に対して質問が殺到することになります。システム管理者とはいえ、システム管理者向け教育は数か月前であり、またそのトレーニングでは想像を超える情報量を習得しなくてはならず、一生懸命理解しようとしてもほんの一部しか理解できず圧倒された経験がある方も少なくないと思います。ここでは、導入後最初の問題を冷静に対処できるよう、いくつかの提案をしたいと思います。

解決策①:問題を記録しカテゴリー別に分類
トリアージプロセス(緊急時に最善の作業をするため、緊急度に応じて優先順位を決める過程)を通じて、報告された全ての要求や問題を記録・分類します。分類はカテゴリー別に行いますが、関心の高いもの「HOT」か、そうではない「NOT」といった具合にシンプルにすべきです。「HOT」とは、事業を停止させるような内容であり、これ以外の場合は「NOT」に分類します。また、以下のようなサブカテゴリーを追加することで、より具体的に分類することも可能です。

1. 既知の問題(=解決策を既に知っている)
2. ユーザートレーニング関連
3. SOP関連
4. 未知の問題(=解決策を知らない)

 最初の3つのサブカテゴリについては何をするべきかご存知だと思いますので、関心の高いもの「HOT」のカテゴリーから対応を行い、時間があれば「NOT」の問題を対応していきましょう。



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解決策②:電話会議を活用
導入終了後の最初の2週間は、導入を行った企業の担当者やテクニカルサポートと、前述の「未知の問題」への対処方法について、電話会議をリクエストすることをお勧めします。このようなサポートを契約時の要件として含めることで、障害修正のスピードまで確約は取れないにしても、より密接なサポート体制を構築することが可能となります。また、時間の節約にも繋がりますので、フラストレーションが軽減できるかもしれません。

解決策③:導入担当者の出張サービスまたはリモートでのフォローアップ
落ち着きを取り戻し、ユーザーが新しいシステムに慣れてきたあたりで、導入担当者とのフォローアップを予定することをお勧めします。このフォローアップは、ユーザートレーニングであがった質問への回答、導入目的の再確認、未解決の「NOT」に該当する課題などへのサポートが目的です。この打ち合わせは、内容次第ではリモートまたは出張してもらう形が選択できると思いますが、少なくとも一日は必要です。

解決策④:自分自身で解決
マスターコントロールでは、お客様Webサイトなどを通して、ツールや教育資料、FAQ、お客様同士での意見交換フォーラムなどを提供しています。このようなサービスは他のベンダーでも用意されていると思いますので、導入プロジェクトの期間に限らず、活用をお勧めします。

今回、ご紹介したポイントは、ユーザーからの質問やリクエストの管理といった日々の業務に活用していただけたら幸いです。また、システム導入・運用に関連する進捗を経営陣にタイムリーに報告する上でも助けになると思いますので、全体として業務をスムーズにまわすことに繋がればと考えています。


著者のご紹介
Stephanie Jonesは、2011年にマスターコントロールに入社以来、導入コンサルタントとして業務に従事しています。企業システムに関する経験は30年以上にも及び、プロジェクト管理や業務プロセス分析、ソフトウェア導入、データ変換、コンピュータシステム・バリデーション、規制・規格対応など、多彩なスキルを有しています。実体験から得た彼女の専門知識は、特に製薬及び食品製造業で秀でており、非常に優れた問題解決力及び対人スキルは彼女の強みであり、企業規模の大小を問わず何百もの導入成功を実現しました。


本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

2016年2月9日火曜日

FDA査察における3つのポイント『準備、管理、フォローアップ』

適切な準備を査察に対して行うことで、実際の査察も
スムーズに受けることができます。
模擬査察を活用して適切な準備を行いましょう。
Kelly Thomas
Atlantic Validation

FDAの査察を無事に終えることは、cGMPへの順守及び事業の成功において極めて重大です。堅牢な品質システムを運用・維持することは、FDA査察を突破する上で欠かせないポイントの1つですが、それが全てではありません。査察に対する準備及びマネジメントも同様に重要です。適切なマネジネント戦略があれば、コンプライアンス違反に対する指摘を受けるリスクを軽減することもできます。ここでは、査察官に対する知識、実際の査察準備及び管理方法、査察の終了時に必要なフォローアップ、ならびに、実際の現場から得た教訓についてお話したいと思います。



査察官に対する知識
査察官の一番の懸念は患者の安全性であるため、その点に関しては十分な根拠とデータをもって説明する必要があります。労力のかかる作業ですが、決定意思を得るためには多くのデータを用意しておくことが重要となります。2011年のプロセスバリデーションガイダンス(Process Validation Guidance)及びICH Q9に従って、より科学的な裏付けが重要視され、査察官は科学的意義の追及によりオープンな姿勢を示すようになりました。ただし、査察官は決して悪意があるわけではなく、彼らはプロの懐疑論者であり、事業場においてあらゆる危険性や有害性の特定を含む全てのチェック項目が、データに基づいた強い根拠によって裏付けされ、それが支持されることを期待しています。

正しい決定が下されているとの結論に査察官が至るよう説得力のある方法でデータを提示することが、品質保証管理者及び内容領域専門家(SME, subject matter expert)の責務となります。査察官に対し反対の意見を述べることが可能である点にも注意することが重要です。もちろん、常に礼儀正しく接し、好戦的な態度は回避すべきです。基本的には、製造プロセスが十分に理解されていること、また品質管理システムがどうのように設計されているか、そしてこの2つがどのように連携してコンプライアントシステムを構築しているかについての説得が必要となります。



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信頼を査察官に植え付けることが、良好な関係や流れを築くうえでの第一段階となります。そして信頼を植え付けるには、文書管理(GDP, good documentation practices )を一貫して遵守するドキュメント(データファイル)とともに情報パケットを事前に整えておくことしかないのです。GDPは、強力な品質システムの基礎となるものです。GDPを遵守することで、監査担当者はパケットに含まれるデータに信頼感を抱くものです。さらに、データパケットに明確なラベルをつけておくこと(バリデーション、サマリーレポート、変更管理、逸脱など)で、正確な情報が提供されているという好印象を与えます。それだけ、きれいに整理されたデータには価値があるというものです。

さらに、進行中の品質システムの改善策を示すことも、cGMPコンプライアンスの維持に取り組んでいることを印象付けることができるでしょう。品質システムの改善の例としては、定期的な品質マネジメントレビュー(QMR)、CAPAの記録や継続的改善プロジェクトを通じて示すことができるのではないでしょうか。
査察官は、限られた時間の中で査察を完了しなければなりません。査察官が無駄な時間を費やすことはかえって悪印象です。
最低限の時間で限りなく査察を進めやすいよう努めましょう。

査察準備
査察準備は、企業の財源に匹敵する価値があります。査察を受ける際の準備を事前に行っておくことで、安心して査察当日を迎えられることができるでしょう。最初に行うべきことは、「査察の管理」SOPの作成です。SOPには、FDAの施設訪問時の対応担当者を明記します。まず、施設の品質部門長、業務責任者及びその代理に通知します。ここで、査察官が施設を訪問する旨を、関係従業員全体に知らせる方法についても説明します。SOPに対するトレーニングは全従業員を対象に行い、トレーニング実施に関する記録を文書で残します。尚、受付係や警備員なども、査察官と最初に接することからトレーニングの対象と考えられます。SOPでは、以下のトピックを取り上げてください。
  • 情報に対するFDAのリクエストした記録方法についての説明
  • 査察官から写真やビデオの提示がリクエストされた場合の対処方法
    • SOPで写真やビデオ撮影の禁止が規定されている場合でも、FDAの査察官には撮影の権利があります。
    • Operations2014年のInvestigations Operations Manual(IOM;査察実施マニュアル)のセクション5.3参照
  • 企業の品質管理手順に反するFDAリクエストへの対応方法についての説明
  • 作業中のクリーンルームへの入場が制限されている場合などでも、査察官を案内する必要があること
  • 就業時間に関する記載。
査察準備チーム(IRT)発足の目的は、すべての準備活動を洗い出し、完了することです。査察時に査察のサポートをすることが、IRTの責務となります。品質関連組織以外のグループからもメンバーを集めたチーム(クロスファンクショナルチーム)を構成するとさらに良いでしょう。

十分な計画を立てることが重要であり、これにより査察の管理における労力が軽減します。
そのためには、どの会議室を査察官に割り当て、どの会議室を監査のサポートルーム(別名「War room(戦略的な決定をする部屋)」)として使用するかを事前に決定しておくことも重要です。これらの2つの部屋は近すぎてもいけません。War roomは使用中、特にSMEが査察官のリクエストに対する戦略を練っている場合には、雑踏と喧騒の渦中に置かれます。従って、査察官の控室として使用する会議室は、人の行き来の多いエリアから離れた場所が適しています。また、できれば製造現場やQC臨床検査にも近すぎない場所が望ましいです。            

計画過程の一部として、誰がSMEを務めるのか、また治験実験計画書や逸脱の提示に関する担当者は誰なのかをあらかじめ決定しておきます。SOP(標準作業手続き)、逸脱、トレンド報告やバリデーション(検証)の正当性を主張する練習の機会を設けることで、誰が査察官訪問時の対応に適しているかを判断する良い機会となります。さらに重要なこととして、模擬査察を実施することで、品質管理責任者が査察時対応すべきではない人物を認識できる機会でもあります。規制当局からの査察官への資料の提示には、ある意味スキルを要します。誰でも、このスキルがあるというわけではありません。人によっては神経質になり過ぎたり、問題について語り過ぎる場合があります。そのためSMEとのテストを実施することは、査察を無事完了する目的において重要な要素となるのです。

資料を提示する者が、資料の内容について知識と自信を持っていることだけでなく、建物の内部も外部も査察の準備が整っていることが大切です。
不動産用語の「curb appeal(外見上の魅力)」という言葉を思い浮かべてください。施設の屋外にメンテナンスが行き届いている様子が窺える場合、その中で行われている作業も同様に良好な状態であるということを裏付けてくれるものです。

施設の外見上の魅力と共通のコンセプトに、文書の系統化や視覚的表現があります。これは、cGMPの文書管理が実施され、遵守されているという良いイメージを査察官に植え付けるうえでとても重要です。プロトコール(治験実施計画書)及びレポートの系統化に、目次やビジネスプランの要点をまとめた事業計画書(エクゼクティブサマリ)を用いるのも良好な方法です。これらの文書は非常に厚い場合がありますが、査察官は限られた時間で多くの資料をチェックしなければならないため、サマリがよく検討され、まとまっている場合にはそれだけがレビューの対象となる場合があります。裏付け文書をすべて揃えたパッケージを準備しておくと、フォローアップの際に裏付け文書の提示を求められることを避けることができます。レポートで逸脱やCAPAといった文書が参照される場合、そのような記録のレビューも可能なように準備しておきます。査察における精密な調査に耐え得る補足文書パッケージの例を下記に示します。
  • サマリーレポート
  • 署名済みのプロトコール
  • 逸脱及び不一致に関する記録
  • 裏付け付属書類
品質マネージャは、「注目すべきトピック」のリストを作成します。こうしたトピックとは、正当性を示すのがより困難なデータパッケージとなります。妥当性が確固たるものではなくなってしまった逸脱や、バリデーションプロトコール(科学的根拠のある治験実施計画書)/レポートにさまざまな逸脱があるといった状況は、どんなcGMP組織においてもある、といっても過言ではありません。査察時のリスク低減の鍵となるのは、より難しい会話を想定し、決定意思を示しその正当性を示す戦略を練っておくことです。模擬査察の際にこの演習を行って、データと結論について明確な話ができるよう経験しておくのが良いでしょう。

これを瞬時にこなすことは非常に難しいことですが、演習により、よりスムーズにこなせるようになります。

実際の査察の管理
まず、査察官に証明書の提示を要求し、実施される査察内容を確認します。施設の品質部門長、業務責任者及びその代役に、査察官の訪問を直ちに通知します。

監査開始会議(オープニングミーティング)では、実施される査察の種類に関する情報を得ることが重要です。原因を追求するための追加査察(for-cause inspection)ではルーティンに実施されるサーベイランス査察とはアプローチが異なるため、どのタイプの査察が実施されるのかを把握することが重要となります。証明書が提示されたら、所定の会議室に査察官を案内します。査察が進行中である旨を施設全体に通知します。査察準備チームは、所定の待機室準備計画を自動的に実行します。プリンタ、コンピュータ、電話、査察リクエストログ、幹事役及び書記が、査察のサポートには必要となります。

最初のプレゼンテーションを行うことも可能ですが、簡単に済ませます。組織図、人数、就業時間と施設のレイアウト図を見せ、施設見学にも案内します。通常1日目までにここまでを行います。清掃が見学に先立ってきちんと実施されていることを確認してください。開いているダンボール箱や通常のゴミやほこりを取り除いておくことで、清掃手順についての質問は回避できるでしょう。見学の前に、査察官に施設案内図のコピーを渡しておきます。人と設備の流れについて明確に示しておきます。
見学の際に、査察官は設備の番号と人員の名前に注目します。見学が完了すると、この情報をもとにメンテナンス、較正及びトレーニングの記録がリクエストされます。資料提示に関するリクエストはすべて記録し、監査サポートルームに伝えます。査察官にはリクエストされた資料の送付に関し現実的なタイムフレーム(物事を行うための必要な時間)を伝えてください。

監査フォローアップ
資料の提示を繰り返し求めなくてはならないような場合には、査察官も気分の良いものではありません。非常に合理的な所要時間の提示が想定される為、各リクエストの内容をきちんと理解していることを確認してください。質問または資料提示に関するリクエストの内容についての不明点は、査察官に遠慮なく質問してみてください。査察テクニックの1つとして、どんな情報が提供されるかを確認するために、故意に漠然とさせることがあります。質問には常に誠実に回答してください。誤った説示または不正行為は、意図的かにかかわらず、確実に悪影響を及ぼすものです。明るみになった場合の査察官の反応を考慮してみてください。

一日一日終了時に、その日のオブザベーション(指摘)についての簡単な報告を査察官に求めてみてください。また、この時間から翌日の査察の方向性を知ることができます。それによってスタッフは就業時間後に翌日必要となる資料を準備することができます。文書が準備され、いつでも提示できる状態にあることで、査察はよりスムーズになります。

査察官の技術
査察中、追加情報を得るため査察官が用いるテクニックがいくつかにあります。1つには先に述べた、意図的な曖昧さを用いるテクニックがあります。この場合、リクエストの内容を明確化するための質問をし、正確に理解できているか確認します。
もう一つの査察テクニックは、長時間にわたる沈黙です。人は、沈黙を埋めるために発言が増える傾向があります。質問への回答が終了したら、次の質問が尋ねられるまで、安心して静かに座っていて大丈夫です。査察官が妥当性を審理するためにデータまたは結論についての質問が尋ねられる可能性がある点に注意することが重要です。この一連の質問は、そのままアプローチに対する異論を意味するものでも、裏付けデータに基づいてなされた決定事項を擁護するものでもありません。
短時間にかなりの情報量がリクエストされるという事態も起こりうるのです。このテクニックの目的は、資料がどれくらい簡単に検索可能かについて確認することであり、実際にすべての文書業務をチェックすることではありません。合理的な所用時間も提示します。

監査のフォローアップ
品質管理責任者の目的は、査察からのオブザベーション(指摘)をゼロにすることです。そして、もしオブザベーションが発見された場合には、指摘事項(finding)すべてに回答することです。コミットメントはすべて徹底的に検討し、タイムリーに実施可能かを確認します。規制当局に提出されたコミットメントに対する逸脱は、タイムリーにその正当性を示し、伝達する必要があります。計画に変更がつきものであることは規制当局側も理解していますので、必ず計画を伝達するようにしましょう。

最後に
有効な査察の準備計画を策定し、実行することは、より良好な結果を導くとともに、査察における労力も軽減します。事前に計画することによって、文書の提出期間を短縮することができ、SMEのプレゼンテーションスキルも向上し、査察官が抱く品質システムに対する信頼感も増します。


著者のご紹介
Kelly Thomasは、医薬、生物工学及び医療機器業界に18年の経験を有し、cGMP事業に影響を及ぼすすべての品質保証活動及び品質管理活動の策定、実行、管理を専門領域としています。コンプライアンスストラテジー(法令遵守計画)が企業の戦略的ミッション、顧客満足度及び規制要求事項と整合する品質システムの開発及び実施もその一部に含まれます。
Thomas氏は、East Carolina Universityで生物学を専攻し修士号を取得、その後Meredith CollegeのMBAを取得しています。またAmerican Society for Quality (ASQ-米国品質協会)から複数の認定資格も取得しています。


本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。

2016年1月20日水曜日

MasterControl Customer Websiteのリニューアルについて

マスターコントロールでは、お客様向けの情報サイト「MasterControl Customer Website」のリニューアルを現在、行っております。今回のリニューアルには、コンテンツの日本語提供も含まれ、今後は様々なサービスやコンテンツが日本語でアクセス可能となります。尚、リニューアル作業期間中は、本サイトが一時的に利用不可となりますので、ご不便をおかけしますが、ご理解ご協力の程、宜しくお願い致します。

2016年1月19日火曜日

食品業界向け:報告書デザインの秘密に迫る ~優れた報告書とは?~


食品安全マネジメントプロセスの導入を単純にする方法とは、
報告書の使いやすさを向上させることです。
Nye Joell Hardy
Food Safety Technical and Regulatory Writer


方針が確立し、計画も万全、SOPも完成しました。さあ、準備完了です。後は、実行に移すだけです!

しかし時には、こうしたペーパーワークが実際の食品安全や品質保証といった業務へと変える段階こそ、最も難関になることもあるのです。

食品安全マネジメントプロセスの導入を単純にするシンプルな方法とは、報告書の使いやすさを向上させることです。以下に、具体的な方法をご紹介します。


  • 方針やSOPの作成と同じタイミングで報告書を作成しましょう。こうすることで、文書化が義務づけられる要件を網羅することができますので、何が必要かを不明瞭のままにすることはなくなります。
  • 報告書が正当であることを確認する意味で、第三者機関による監査の際に、報告書がすべての要件を満たしているか否かについて確認してみましょう。
  • ファイリングのしやすさを考慮し、保存場所を示す識別子を一番上の定位置に表示しましょう。ファイリングしなければいけない書類は沢山あります。ご自身でより適したファイリング方法を見出してください。
  • 要件は、計画や監査におけるリスト順でまとめるのではなく、実際の作業の順番に沿って整理しましょう。このような工夫により報告書がより使いやすくなり、正しく使用されるようになります。
  • チェックボックスを活用しましょう。読みやすい文字を書くことができる人は決して多くはありません。あなたの従業員の中には読みやすい文字を書く人がいないということもあり得るのです。
  • 要件が多くない場合には、既存の報告書に追加することで全体的なペーパーワークを軽減させることを考慮してみてください。私は、過去にリスクの評価報告書に含まれていた7ページにわたる評価項目を1ページに変更したこともあります。
  • チェックする項目数が多い場合には、入力項目を省略可能な報告書の作成を検討しましょう。 報告書の特定範囲の回答がすべて「はい」の場合、チェックボックスのみチェックすれば良いという仕組みです。「いいえ」に該当する場合には、「いいえ」をチェックし、説明欄に詳細を記載し、是正措置を講じることが求められます。


本記事に関連するホワイトペーパー


  • 報告書は1ページに収めましょう。
  • 担当者の母国語で読むことが可能であれば、報告書のパフォーマンスはさらに向上するでしょう。
  • 業界用語は使用せず、シンプルな文章で作成し、他言語への翻訳がしやすいものが良い報告書といえます。
    • 中止形(don't)などの使用はできる限り回避しましょう。
    • 「汚染の証拠はなかったことを確認しましたか?」など、肯定の回答を求める否定疑問文は避けて作成します。このような文章は混乱を招く原因となります。
  • SOPを作成するタイミングで報告書のデザインを決めることが可能であるように、食品安全問題が浮上した際に、必要とされる是正措置を報告書に追加することも可能です。使いやすさを追求し、他者の手を借りることなく誰もが適切な業務をこなせるような報告書を目指します。
  • 報告書の目的及び理由を冒頭に記載してみてください。今日の業務では、取り扱う報告書は多種多様です。一目でわかるラベルが冒頭にあれば、業務が少しでも楽になります。
  • 報告書では、従業員へのトレーニングが実施しやすいという点にも着目しましょう。説明しずらかったり、従業員が適切に使用できなかったりした場合には、アップデートが必要かもしれません。
  • 報告書のアップデート及び配布に関する合理的な計画をもとに運用してください。使用される報告書が統一されていないなどという事態は避けたいものです。
  • 報告書は我々の良きパートナーとなりえます。どのような情報が必要か、またどのように利用するのかが理解できていれば、報告書は必ずよりスムーズな業務を可能にする技術的ツールとなるでしょう。

I promise.(私がお約束します。)


著者のご紹介
Nye Joell Hardy
前職ではDole Fresh Vegetables社の食品安全性部門責任者を務めた経験を有します。現在は独立し、食品安全に関するテクニカルな問題や薬事的視点から執筆活動を行い、トレーニングや食品安全性計画、 報告書などを専門に活躍中。生産農業における経験は22年。大学では生物学を修め、食品安全性分野では修士号を取得。質問またはコメントがありましたら、badwolf@redshift.comまでご連絡ください。


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2016年1月18日月曜日

MFG DAY 2015: 米国製造業の動向に注目

David R. Butcher
Marketing Communications
MasterControl Inc.

近年、米国の製造業に対する国民の認識は変化し、製造環境は近代的になってきている一方で、知能、技術、能力が熟練していない労働者向けに設計された暗く、危険で、時代遅れの施設といった誤ったイメージが広く定着しています。

2015年10月2日に開催されたManufacturing Day (MFG DAY) 2015は、一般にも開放されたイベントで、製造業者を全米から集い、前述のような世間一般の製造に対するイメージを払拭するため、連携した取り組みの推進を目的としています。製造業の現状として、高性能な自動化技術や産業ロボット、3Dプリンターなどの高度な技術力や製造業で働く卓越した専門スキルをもつ技能者などを紹介し、広く世間に発信しています。

MFG DAYは年に一度開催され、国内製造業者によって会社訪問や工場見学、職業ワークショップなどのイベントが行われます。毎年10月の第一金曜日は、アメリカ、カナダ、メキシコ全土から製造者が集まり、地域住民や工業系大学とタイアップして、充実した需要の高い製造業キャリアの選択につながるべく、企業施設を公開したりワークショップなどイベントを開催したりしています。昨年、MFG DAY に開催された1,675件以上のイベントには約40万人の参加者が集いました。

MFG DAY の目的は、現代の製造業の可能性を広く世間に示すことであり、製造業に従事することへの関心度を高めることにあります。



本記事に関連するホワイトペーパー
製造業は、米国経済にかかせない産業の一つです。米国では、製造業が年間2兆1000億ドルを生み出しており、これはGDP構成比で12.5%、1200万人以上の直接雇用者が雇用総数の8.8%を占めています。また、製造業に$1投資する毎に経済における付加価値は$1.37とのデータもあり、このような高い相乗効果を生み出すセクターは他にはありません。

強力な製造業が米国経済や雇用者数向上の土台となっているにもかかわらず、製造業への入職に関しては、概して他の産業より人気が低い状況が続いています。

Manufacturing Institute(MI)とDeloitte社が実施した6年間にわたる一連の調査では、「強い経済の維持に最も重要な国内産業は製造業である」と米国民は認識している一方、就きたい職業ランキングでは人気がないことが継続的に示されています。MIとDeloitte社による最近の調査(2015年)の結果でも、回答者のわずか37%しか子供を製造業に就かせたいと考えていないことがわかりました。

一方、業界に親しみをもつことが良い印象へと繋がることも、この調査結果で示されています。工業界をよく知る人は、製造業に対して好意的な見方をする傾向があり、製造業に子供を就職させたいと思う人の数は、製造業を知らない人に比べて2倍となっています。




MFG DAY運営組織委員会: Fabricators & Manufacturers Association (FMA)、National Association of Manufacturers (NAM)、Manufacturing Institute (MI) 及びNational Institute of Standards & Technology's (NIST) Manufacturing Extension Partnership (MEP)


【参照】

1) MFGDAY.com

2) Economic Policy Institute

3) U.S. Department of Labor

4) National Association of Manufacturers

5) The Manufacturing Institute and Deloitte

6) National Institute of Standards & Technology, Manufacturing Extension Partnership



著者のご紹介
David Butcherは、10年以上にわたり工業界のB2Bサイトでビジネスやテクノロジーに関する動向に関する執筆活動を行っている。現在は、MasterControl社にてマーケティング・コミュニケーション部門スペシャリストとして活躍。これまでに、ThomasNet News' Industry Market Trends 社で編集者やTechnology Marketing Corp.'s Customer Interaction Solutions社で編集アシスタントとしての経歴をもつ。ニューヨーク州立大学でジャーナリズムの学士号を取得


本投稿は、英語の文献を元に翻訳または抄訳及び校正を行っており、本サイトに掲載されている全ての情報や画像の著作権は、当社(マスターコントロール株式会社)に帰属します(他社提供のクレジット表記入り画像等を除く)。コンテンツの再発行及び再配布は、個人利用の場合を除き、当社より許可を得た場合のみ可能です。また、本ブログを含む当社のWebコンテンツを利用することで発生する損害やトラブルについて、当社は一切の責任を負いません。